天王寺動物園は、昨年90周年を迎えました。これを記念して昨年はいろいろなイベントを開催しました。そのなかの一つに「飼育係によるワンポイントガイド」というものがありました。これは、それぞれの動物の飼育担当者が、その動物の生態や特徴、性格などをお動物舎の前で客様にお話するもので、土、日曜日や祝日に行いました
 動物といえども我々人間と同じように、個性や癖があります。図鑑や本に載っていない、そのような飼育係しか知らないことを皆さんに知ってもらうことで、より天王寺動物園の動物たちに親近感を抱いてもらいたいと考えました。
 90周年事業は無事に終了したが、ワンポイントガイドはたいへん好評なので、今年も、継続して行うことになりました。さらに今年は、土、日曜日、祝日だけでなく、平日もできるだけ多く、いろいろな場所でやることになり、飼育係一同張り切っています。


シマウマとキリンがエサを食べるところが
間近で見られます

 それでは、どんな動物で、どんなガイドを行っているかを紹介していきたいと思います。まず、最近の目玉は9月に全面オープンしたばかりのアフリカサバンナゾーンです。ここでは肉食動物のライオンやハイエナが草食動物のキリンやシマウマと同じ空間にいるように見えるように展示しています。ここでのガイドは、キリンやシマウマ、ダチョウなどにエサをやりながら、その食べ方の説明などをしています。さらに新しい動物舎にライオンが慣れてくれば、お客様とガラス1枚隔てた目の前で、ライオンが肉を食べるところも披露していきたいと思っています。


かわいいペンギンは大人気
いつでもスゴイ人だかりです

 次はペンギンですが、ここでも飼育係がペンギンにエサを与えながら、厳しい野生で生き抜くための工夫や、野生と動物園での生活の違いなどを説明しています。本来、生きた魚しか食べていないフンボルトペンギンは動物園ではどのようなエサを食べているのでしょうか?
 さらに進んで行きますとチンパンジー・オランウータン舎に辿り着きます。ここでは知能が高く身体能力も優れた類人猿達が、頭脳と肉体を駆使しておやつを探したり、人間の様におもちゃで遊んだりする様子がご覧になれます。

アジアゾウのいろんな秘密、教えまっせ!
 そしてなんといっても外せないのがゾウですが、2頭のアジアゾウ、春子ラニー博子の見分け方、2頭の関係、性格の違いやエサの食べ方の違いなどをガイドしています。また夕方、ゾウが寝室に帰ってからは、飼育係がラニー博子のトレーニングや体の手入れをしているところもご覧になれます。それが終わるとラニー博子はメインの食事を食べます。いろいろなメニューの中、何から先に食べているのでしょうか?


ホッキョクグマの水泳が見られます
 そして動物園の南の端にはゴーゴという雄のホッキョクグマがいますが、ここでのガイドは、ゴーゴの運動を兼ねて、エサを与えて水中を泳ぐ姿を見てもらうようにしています。ただしゴーゴは気まぐれなので、その日のエサによって気が乗らなかったり、逆に目の色が変わったり・・・。
 こんな感じでワンポイントガイドを行っていますが、ここで紹介したのは代表的なもので、他にもあちこちで行っています。また、ここで紹介した動物でも、その日の動物の体調やその他の事情で行わない場合もあります。開始前に園内放送でご案内しますので、少し耳を傾けてみてください。
 皆さん、ぜひ天王寺動物園の動物たちの性格や癖を知っていただき、親近感をいだいていただきたいと思っています。

(文:飼育課:油家 謙二  写真:飼育課:中島 野恵)